鞄に収まる思い出への窓(2)。

FINEPIX REAL 3D W3の感想、第2回。

背面液晶

このカメラの最大の特徴である、背面の裸眼立体視ディスプレイ。
映像品質はすごくいい。先代のW1からぐっと向上してます。奥行きがはっきり感じられて、そこから撮った場所に繋がっているみたい。正常に撮影出来ているデータを表示しているばあい、特に視差調整はしなくてもちゃんと見えます。
ただし、眼鏡を使う立体映像システムのように何も構えずにぱっと見れば立体視ができるのかというと、そうでもないみたい。平行法や交差法で立体写真を見るよりは遥かに簡単にせよ、ピントの合わせ方などちょっとしたコツが要ります。この辺は現在の裸眼立体視ディスプレイの限界でしょうね。

画質

イメージセンサは普通のCCDですが、画づくりはフジらしく、鮮やかな色が出ます。日中に屋外で撮るなら文句なし。
光量が落ちてくるとノイズが増える。また、左右レンズとストロボが一直線に配列されているのが問題なのか、ストロボを炊くとその光が直接レンズに入ったように白い斑点が入ったりする。
手振れ補正もないし、暗所撮影には向かない。

メモリ消費

1000万画素のセンサを備えてただでさえ1枚のサイズがでかいのに、立体写真だと左右2枚が同時に記録されるので大容量のSDカードは必須。なお設定にもよりますが、MPO形式で記録される立体写真データの他、非対応機器向けのJPEG画像が併せて保存されるので、さらにメモリを消費します。
また、PCに3Dディスプレイが付いているのでもなければ写真は本機の背面液晶で見るか、本機から3DテレビにHDMI経由で出力してみるのが主になるはず。そうなるとカメラにデータを極力残しておきたいもので、単に撮影データが大きいだけじゃなくて、そういう再生環境上の要因からも大容量メモリが必要になります。


つづく。