映画には2種類ある。IMAXか、そうでないかだ。

ずっと書こうと思いながらも延び延びになっていた記事。
ジェームス・キャメロン監督の話題作「アバター」。この作品を幸いにもIMAXデジタル3Dで観る機会に恵まれました。公開直後とついこないだの2回、最初は吹き替え、次に字幕で。
私にとってIMAX作品は「ブルー・オアシス」第一作の時代からサントリーミュージアム天保山に通っていたので、身近とは言えないものの良く親しんだフォーマットの映画。といってもデジタル方式のIMAXは初体験だったし、こういう娯楽大作をIMAXフォーマットで鑑賞するのも初めてだったので、いろいろと驚き、発見の連続でした。

シアター

まず最初に劇場に入って感じた第一印象。
「スクリーンが小さい!」
もちろん、通常のシアターよりは大きいスクリーンが設置されています。けれども、私が昔から親しんでいたのは天保山のあのシアター。実はIMAX規格を満たすだけならあそこまで大きなスクリーンは必要なかったそうですが、「IMAXシアターならあの巨大スクリーン」という刷り込みがあったので拍子抜け。
つづいて座席に収まったあと。客席が普通の映画館の作りなので、上がれば上がるほどスクリーンが遠くなる。これも天保山との比較でNGなポイント。サントリーミュージアムでは客席の傾斜が急なので、上の方の席でもさほどスクリーンから離れないんです。対して109シネマズのシアターだと、真ん中の席に収まった時点でかなり遠ざかる。もともと小さめのスクリーンだということもあって、視界に画が収まってしまうし、大して高さが上がらないのでせっかく中央に陣取ってもスクリーンを軽く見上げる形に。

映像

そんなこんなでテンションが微妙に下がり気味だったんだけど、いざ本編が始まってみるとやっぱりすごい。
視界の大部分を占めるスクリーンに、鮮明な立体映像。音響も抜群。3Dの品質もばっちりで、大きな大きな窓から向こうを見ているかのよう。
3D映画は「飛び出す!」って売り文句がつくけど、どっちかというと奥行きの方が重要。吸い込まれるような臨場感で、うたい文句どおりまさに、「観るのではない、そこにいるのだ」。

映画そのもの

ストーリー自体は王道パターンですよ。わかりやすい道筋で、安心して没頭できる。
ノベライズするとあまり魅力的ではない代物になってしまうかも。臨場感あふれる映像と音響、役者の演技をすべて合わせたからこそ名作になるタイプの作品。
綿密に作り込まれた舞台"パンドラ"の光景やそこに住まう生命の描き方がこれまたすばらしい。

総評

パナあたりの3DテレビとBDをうっかり買ってしまいそうな映像体験!
出来ることならもっと浴びるほど観たい作品でした。
IMAXを十数年観続けてきた身にとっても、これはエポックメイキングな映画。新時代の訪れを、予感させる。
まだ観ていないなら、是非観ておくべきです。出来れば、IMAX3Dで。


ああちなみに、字幕が邪魔なので吹き替えの方がいいです。台詞は英語で聞けばいいから……と思って2回目は字幕版を選んでみましたが、奥行きのある映像の手前に字幕が配置されてる上に結構大きい文字なので、相当邪魔です。
原語での上映があればいいんですが、さすがにそこまでは無理でしょうし。