舞台を変えて、もう一度。

Google Buzzは、かつてGmailがメールに起こした革新の再現になるかもしれない。


文字通りGmailに統合されているからではなく、取り巻く環境の類似点に関するお話。
かつてGmailが実現した新機軸と言うのはいくつもあります。まず、その大容量。それを生かして、昔はこまめに手元の端末にダウンロードして貯めておくものだったメールはGmail上に貯めておくものになりました。他にも、端末のメーラで読み書きするものだった物が今ではどこからでも、ブラウザ上で快適に読み書きできるように。
そういった革新の中で、目立たないながらも快適なメールライフのために非常に重要な機能があります。それは、spamフィルタ。
昨今の例を引くまでもなく、当時すでに迷惑メールは大きな問題になっていました。メーラの中には迷惑メールフィルタを備えたものがいくつも出ており機能していましたが、そんな中登場したGmailspamフィルタは非常に高精度でした。これは単にGoogleの技術力が高かったからだけではなく、多数のユーザから報告される迷惑メールを片っ端から学習してフィルタリングに使えたことが大きな要因。
この高精度なspamフィルタによって、完璧ではないながらもGmailは「メール」をspamの少ないツールへと押し上げたのです。


翻って今度のBuzzに目を向けてみましょう。位置情報を結び付けた一言や、Picasaと統合されて投稿写真も一覧できるなどの機能は他のあまたあるレビュー記事に任せます。
ここで注目したいのは、Twitter統合と“buzz“のパーソナライズ。先ほどのメールとGmailの話に当てはめると、前者がメールで後者がspamフィルタにあたります。
Twitterはまだ、かつてのメールのようにspamの大群に埋もれる水域には達していませんが、「マーケティング」や「ビジネス」を合言葉に参入してくる人たちが増えるにつれてそのSN比は次第に低下しつつあるのも事実です。さらに、いくらフォローしている相手でも常に自分が読みたいメッセージを投げているわけでもなく、ノイズとなるメッセージが流れてくることもどうしてもあります。
そこにBuzzがもたらすのが、パーソナライズされたbuzzの配信。これはユーザが要らなそうなのを畳んだり消したりしてくれる機能を含んでいるから、spamフィルタとしても働く。加えて、興味ありそうなbuzzをレコメンドしてくれるのは新たな発見に繋がる。
Gmailがメールのspamを駆逐したように、Buzzはマイクロブログからノイズを除去し、新しい気づきをプラス。これはそんな可能性を秘めたプロダクトだと思う。