出来れば、その場で、教えてほしい。

以前書いた、「サインアップを後回しにして、使い始めの動線を短くするといいんじゃない?」という話。確かあの記事を書く前に、いくつかそう言った実装は目にしていたとは思う。けど、そう言う方向論を主題にして書かれた文書を読んでから書いたんじゃなくて、(先行実装の印象を念頭に置いていたにせよ)自分で考えだして書いた記事ではある。
けれどもあの考え方、既に結構あっちこっちで「これからの新常識!」みたいな形で語られていて、やっぱりそう新しいことって思いつかないよね、自分が思いついたことは他の人も思いつくんだよね、と思った。
ちなみに、昨日のメンテナンスを経てようやく「カケラの樹」があの考え方に沿うようになりました。サインアップ前に保存が出来るエディタが使えます。


さて、今日のお話もそんな感じの、きっとどこかで既に語られていそうなトピック。
ウェブ・アプリケーションって、ユーザーに入力を求める場面が結構ある。IDとパスワードから始まり、希望するニックネーム、プロフィール文、などなど。
こういった情報が、どこでどういう風に使われるのかが気になったことって無いですか?今入力したニックネームはどこに出るのかとか、この自己紹介はどんな風に使われるのかとか。
こんなユーザーの疑問に応えるためには、ヘルプページの充実が真っ先に思い浮かぶけど、ドキュメントの記述ってどうしても邪魔くさくて後回しになるよね。ユーザーからしても、いちいち疑問を持ったところでヘルプを開いて説明を探し、戻ってくるって邪魔くさいのであまりやりたくない。
この状況には、簡単な方法だけどこんなのが効く。

これはカケラの樹の新規ユーザー登録時に表示される画面で、ユーザーから希望するニックネームを聞いてるところ。入力ボックスの直下に説明文を載せてる。
こんな風に、入力欄のそば、すぐ見られるところに説明文が書かれていればユーザーは即座に"この箱が何であるのか"を理解することが出来る。加えて、いちいちヘルプページを1枚用意して説明を書いてリンクして……というステップを踏まずに説明を埋め込んでおけばいいので実装も楽。
もう一例。

月燈火のユーザー設定画面で、推奨/登録ページリストの公開・非公開設定やフィードの登録/削除が行えるようになってる。この場合も、「非公開設定にした場合、何が起こるのか」や「フィードのURIを使って月燈火システムは何をするのか」といった情報をその場でユーザーに提示する。


こうやって、実際に動いている画面そのものに説明文を足していく手法は手間もかからず分かりやすく、効果的。とはいえ、常に説明文が出ているとその分場所も使うし、文字が増えれば増えるほど見た目の取っつきやすさも減っていくのでやりすぎると逆効果。
場所の問題はツールチップを使って節約する手がありますが、これはこれで説明が欲しい箇所をポイントする必要がある。全ての要素にツールチップを付けられればいいけど、そうじゃない場合は操作が空振りしてユーザーにストレスを与える場面が出てくるから、いいことばかりではない。
以上のことを考えると、是非知っておいて欲しいことを絞って、その場に置いていくと分かりやすい画面が作れるのではないでしょうか。