待ってる。また。
初のAndroid搭載機、HTC Dream改めT-Mobile G1がついに発表。カンファレンスで触れるようになってたという事で、早速あちこちにレビューが出てる。
それらを見た限り、モノはなかなかよさそう。事前のリーク画像より少々スリムになって、往年のPalmっぽいほぼ全面を占めるタッチパネルと4つのボタンと、W-ZERO3みたいなスライドキーボード。
白いのでも開けると銀色なのはちょっといまいち。
起動するとまず目に飛び込んでくるのは、指でなぞって解除するロック。3x3の升目をあらかじめ決めたとおりになぞると本人確認って事でロックが外れる。これは本人ならさっと外せてかつ他人はブロックできて、かなりいい。パスワード？寝言は寝ながら言ってください。答えてあげるから。
続いてGUIでおっと思ったのは画面上部のステータスバー。各種の通知が表示されるんだけど、SMSが着信して返信を打ちたい場合に上から下へ引きずり下ろすと応答のアクションができる。それも単にSMSが来たらSMSで返信できるだけじゃなく、引きずり出したメニューからワンタッチで通話やIMのセッション開始なんかもできるのがポイント。おそらくSMSに限らず、あらゆる通知に対して速攻でリプライできるんじゃないかな。
端末と外部の同期もGoogleらしい。従来のPDA/スマートフォンのような専用ソフトとケーブルを使って同期するんじゃなくて、端末にGoogleアカウントを教えておくと随時Google Appsと同期する。これなら複数のPCと同期させたくなっても問題ないね。
こういうウェブアプリケーションとの同期は、すでにWindowsMobile機にサードパーティーのソフトを入れればある程度実現可能ではあるけど、G1のはより賢い。端末に入れた内容がウェブ側に即反映されるのは当然として、さらにウェブ側の更新も即時反映。通信可能な限り、常に同期してるってわけ。
カレンダーなんかだと、共有してる相手が書き込んだのも例のステータスバーに通知が来るから、その場ですぐに打ち合わせに入るなんて芸当も。
現行のWM機では良くてポーリングベースでしか同期がかけられないのだから、このリアルタイム同期は大きなアドバンテージだと思う。Googleモバイルをケータイから使ってやれば同期させる必要ないって向きもあるけど、それだと万が一通信不能になった歳に手も足も出なくなる。ローカルにもコピーを持っているとちょっと強い。
iPhoneにMobileMeを組み合わせれば似たようなことが出来る*1とはいえ、アレはあくまでもオプションだよね。G1とGoogle Appsの組み合わせは標準だし*2、Apps側には料金が発生しないのがうれしいところ。
どうしてもiPhoneの後だと衝撃はない。しかし実用的かつ使いやすい端末に仕上がってる気がする。Chromeで分かったように、Googleの作るUIは派手じゃないけどシンプルで扱いやすいよね、その設計思想がG1にもちゃんと降りてきてると思う。
さて、なかなか良さそうなのは分かったけど手に入らないんじゃ仕方ない。
昨日のイベントでは当然ながら、T-Mobileグループ内でのリリースしか話に出なかった。アメリカでは10月、イギリスでは11月、その他のヨーロッパ圏では来年。今回は初代iPhoneと違ってW-CDMA/HSDPA網で動く端末なので、キャリアが出そうと思えば出せるはずだけど、まだ決定情報は無し。
各キャリアで何が障害になりそうなのか、キャリア目線とユーザー目線の両方でほんのちょっと考えてみる。
NTTドコモ
通信方式は問題なし。iPhone 3Gを失格にしたという噂の厳しい端末受け入れ試験が問題か？HTCは携帯電話機を作り慣れてるだろうから、Appleよりは楽に合格できそうな気はする。
Open Handset Allianceに参加してるし、出す可能性は結構ありそう。
Blackberryに定額データ通信プランを用意しなかったことを考えると、料金が問題になりそう。常時通信が前提の端末を従量料金で運用するのは厳しい。
ソフトバンクモバイル
通信方式は合うけど、ここはiPhone 3Gで手一杯なんじゃないか。かなりネットワークが厳しいという話を良く聞くし、iPhone並かそれ以上にばかすか通信するG1は手を出しづらそう。
出すとすればiPhone 3G相応の料金プランで出してくるだろうから、料金面の問題はあまりないのかな*3。
イーモバイル
本命だと思うんだけどね。通信方式は合うし、HTC製の端末を積極的に買ってきて出してる。
データ通信を前提にネットワークを構築してるから、通信量の問題もあまり出そうにない。料金面も申し分ない。
ただ、その「データ通信前提」の戦略に合致しない可能性がある。G1はテザリング機能無しなので、PCへ接続してモデム扱いで使うってことが出来ないんだよね。
これはおそらく最初のキャリア(T-Mobile)の意向で、それ自体は納得できる。3G網で無制限なPC向け定額データ通信なんて芸当、世界を見渡してもEMくらいにしか出来てないんじゃなかった？T-Mobileとしては、定額データ通信プランを与えた端末にテザリング機能を許すわけには行かないんだと思う。
対してイーモバイルは、音声機でもテザリングしてPCから使う使い方を前面に打ち出してるから、その機能がないG1は戦略に合わないんじゃないか。
「テザリング機能付きのG1作って」と言えばHTCはすぐにやってくれるだろうし致命的な問題じゃあないだろうけど、(出るとしても)発売時期が遅くなる原因にはなるだろうね。
ウィルコム
まあ、ネタですよ。通信方式が合わない。スマートフォンには興味あるし、通信量もご自慢のマイクロセルネットワークで難なくこなす。だけど、W-SIMが刺さるの作ってとは体力的に言いづらいのではないか。
万が一そんな酔狂なモデルをHTCが作ってくれたなら、料金面は問題ないし理想のキャリアになるかもしれない。遅いけど。
日本通信
ダークホースだよね。通信方式は合う。料金もb-mobile 3G アワーズ150を見る限りあまり問題も無さそう。なにしろ日本通信自体が「Android機も出したい」なんて言ってるので実は隠れた大本命なのかもしれない。
でも、G1って一応音声機なんだけど、日本通信とドコモの契約って音声機出せるの？EM-ONEみたいに喋れないのはちょっと……。
色々とうだうだ考えてみたけど、どんなに最速でも来年の半ば頃にはなりそうだよね。6月発表で7月に発売なんてiPhone 3Gの例もあるけど、アレはあくまでも例外でしょう。首を長ぁくして待ちましょうか。
