遙か彼方に備え有り。

AOLが5GBのオンラインストレージを無償提供とか、Googleのオンラインストレージの噂とか気前のいい話が飛び交ってますが、こういうのを上手く使えばデータロストに対する強力な備えになる。
ある日突然自宅が燃えたとか、マシン盗難とか。
燃えたノートからデータサルベージ出来たなんて例もあるけど、そんな綱渡りしたくないし。
ただのマシントラブルとか、外出先でノート無くしたとかなら手元のバックアップで何とかなることも多いけど、家ごと燃えたとかバックアップ入りのHDDもろとも盗まれたとか、そういう異常事態でもオンラインストレージにバックアップが有れば、きっと何とかなる。


とはいえ、手元のバックアップとは違って見ず知らずの会社にデータを預けることになるわけで、いくらセキュリティばっちりです!と言われてもちょっと躊躇するのも確か。ヒトに見せても良いようなデータだけ選って送ってたんじゃあ、バックアップの意味半減だし。
そこで暗号化。強力な暗号掛けた上で送っておけば、たとえ他人の元にデータが渡ったとしても大丈夫。方法も簡単。

tar czf - 固めたいフォルダのパス | openssl aes-256-cbc -pass pass:パスワード > 好きなファイル名.tar.gz.aes256cbc

※fifth_moonさんのコメントを元に修正
このコマンドを叩いてやれば、カレントフォルダに「好きなファイル名.tar.gz.aes256cbc」ってでかいファイルがいっこできます。これは、指定したフォルダの内容を一つに固めて(tar)gzip圧縮した上で、256ビットのAES、CBCモードで暗号化を施したアーカイブです。AESはNIST制定の次世代標準暗号で、強度は申し分ないでしょう。パスワードは絶対に忘れないように。
処理はファイルの量にもよるけど、結構かかるので夜間とか、マシンが空いてるときにやりましょ。で、出来上がったこのファイルを適当なオンラインストレージに送ってやればOK。往々にして巨大ファイルになるだろうから、ファイルサイズ上限に引っかからないように気をつけて。
ちなみにAOLが提供予定のサービスだと、Xdriveのシステムを採用するそうなのでひとつのファイルの上限は2.5GBになるはず。
さて、こんなの役に立たない方が良いんだけど、出番が来ちゃった場合。まずバックアップをダウンロードします。
そのファイルを置いたフォルダでコマンド投入。

openssl aes-256-cbc -d -salt -in 好きなファイル名.tar.gz.aes256cbc | tar -xzf -

パスワードを聞かれるので投入すると、復号化された後に展開されます。